覚書 銀座シネパトスと三原橋
銀座4丁目の交差点から、晴海通りを築地方面に降ってすぐ。昭和通りの手前に、かつて三原橋地下街がありました。
元々ここには三十間堀川がありその上にかかっていたのが三原橋。戦後、川を埋め立てた後に橋の橋梁を利用して地下街を作ったそうです。
その中にあった銀座シネパトス。小さい規模のスクリーン3面。ロードショーが終わったメジャーな映画から、単館的なアート映画、B級・C級・アダルト映画にレイトショー。いろんなものがかかっていた映画館でした。
1988年にシネパトスとなる前は、銀座名画座と地球座という映画館でした。昔は本当に名画座だったみたいですが、私が子供の頃はあやしいピンク映画(死語)なんかやってて、周りは飲み屋だったりするので、ほとんど足を向けたことはありませんでした。
シネパトスになってから、ここでしかやってない単館上映の映画を見に時々足を運びました。アジアの映画をかけることもあったし。でも、映画を見てると、銀座線の電車がガタゴトいう音が聞こえてくるし(それがいいという人もいるみたいですが)、スクリーン下をネズミが走るので、女子一人で行くには、なかなか足が向きにくいところでしたね。
ここで見た映画で一番印象的だったのは、昭和天皇を描いたロシア映画「太陽」でした。イッセー尾形が天皇を演じていました。淡々と流れる映画の中で、車から(天皇目線でみる)戦後の東京の様子が印象に残っています。
耐震問題のため地下街が閉鎖になることに伴い、銀座シネパトスは2013年3月末に閉館。
2020年7月。その三原橋跡を通りがかりました。上に立っていた建物がすっかりなくなり、橋梁の丸みも見当たらず、工事中となっていました。
そして8月、三原橋跡にはベンチが置かれ、暑さ予防のミストが吹き出ていました。
三原橋横の三原小路、ここも小さな飲食店が並ぶ、ちょっと怪しげなところでしたが、今は小洒落たレストランや小籠包屋などが並んでいます。