こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

大阪アジアンフィルムフェスティバル2023 覚え書

4年ぶりの大阪にやって来ました。とは言っても、中之島ABCホールを往復するばかりです。

2日間で香港映画3本、台湾映画1本見ました。どれも、社会問題の中で家族とか老いを考えさせられる映画でした。そう思うのは、自分がそんな歳になったからかもしれませんが。

香港ファミリー 過時・過節 Hong Kong Family

8年前の冬至節の出来事でバラバラになった家族。イギリスに渡った姪が冬至の前に戻ってくる。それぞれの人生に変化が起きる。

親子関係は、難しいもの。父と息子は相当拗れている。夫婦関係もそう。でも、行き着く先は親子と夫婦ではこんなにも違うものかと思う。

妻は、感情も愛情も豊かでウィットのある女性なはずなのに、なぜ家族とはうまく話せないのだろう。なぜ夫のすること全てにイライラして話にならないのだろう。それを演じ分けるテレサ・モウはすごい。

流水落花 Lost Love

里親問題を取り上げた映画ではあるが、親子関係や夫婦の在り方なども考えさせられる。サミー・チェン演じる天美(ティンメイおばちゃん!)が里親となり、何人かの子供たちと関わるうちに、彼女自身も自分の問題を含めて乗り越え成長していく。

子供たちと関わる中で、何らかの事情でその子供との関係が突然途切れる。そこで黒いだけの画面が挟まれる。その空虚な違和感が、里親夫婦が抱える心の在り方として表現されている。

 

白日青春 The Sunny Side of the Street

香港で難民認定がされるのは難しいという話は聞いていたが、実際に家族の身になってみると、本当に厳しいものだ。

映画は難民問題が主題だが、ここでも上手くいかない父親と息子が登場。父親(アンソニー・ウォン)は、大陸から泳いで香港にやって来た難民だ。タクシー運転手。肝臓を患い息子が移植の提供をしたにもかかわらず、酒がやめられないどうしようもない男。息子は、子供の頃親に捨てられたという思いが拭えない。家族だからと言って、分かり合えるものではないのだ。

本日公休 Day Off

監督のフー・ティンユーが、実家の母親をモデルに描いた作品。

理髪店を開いて40年、3人の子供を育て上げたがそれぞれとは微妙な距離感。遠くから通う昔からの常連客の一人が病床についていると知り、出張散髪に向かう。

昔から、若者と親の世代とはなかなか分かり合えるものではないものだ。最近は、映画見てても親のほうが自分に年齢が近い。自分がしでかすことも、アールイのようになっているのかもしれない。

アールイが病床での散髪を終え帰りの道で泣きながら、過ぎていった年月に抱えていたものを掃き出しながら走る。切ない。

台湾の女優ルー・シャオフェンが20年ぶりに久々に映画出演で話題になってますが、QAにも登壇。やっぱり映画祭の醍醐味は、これだよね。