こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「デパーテッド」 The Departed

<ネタバレあります。>

見てきちゃいましたよ。もちろんあの「インファナル・アフェア(無間道)」のハリウッドリメイク。
それも、マーティン・スコセッシ監督。

ストーリーの初めは、ちょっと違うかなって感じがありましたけど、これは設定を米国に合う様に
した結果なのだと思います。ボストンにおける、アイリッシュの立場とか、その他後発移民達との
関係とか、FBIと州警察のからみその辺がパッパッと入り込んでくる。どのようにコスティガン
(ディカプリオ---原作ではトニー・レオン)が潜入捜査官になったか、どうしてサリバン
(マット・ディモン---原作ではアンディ・ラウ)がコステロジャック・ニコルソン---
原作ではエリック・ツアン)によって警察に送り込まれたかが短い時間で効率的に語られます。
この辺は、最初から3作造るつもりだった香港版とは違い、1作完結の意図がよく判ります。

その他の登場人物については色々手を加えられているものの、ストーリーは、その前提が
説明されてから以降の展開やトリックはほぼ同じ。ここまで同じかあとも思いますが、権利を
買ってやってるんだから、というかストーリーを気に入って買ったんだからそんなものでしょう。

ただし、映像的なものは、やっぱりスコッセッシ。渇いたバイオレンスは、アメリカ映画的。
オリジナルの持つ情感的・情緒的なものは、全然感じられません。同じストーリー
追って見ていることは解っているんだけど、別の映画を見ているようです。そして、
最後は復讐劇で終わり、コスティガンは生きながら無間地獄に陥ることはありません。
やっぱり“無間道”なんてものはは、アメリカ人にはありえないのでしょうねえ。

ディカプリオのストレスからくる神経症でぷっちぎれ直前の表情、デイモンの頭はいいが
心のない人間の感じは納得の配役。ジャック・ニコルソンは、エリック・ツアンとは全く違う
テイストの悪役を演じていました。ビルから落ちるのは、アレックス・ボールドウィンかと
思いきや、マーティン・シーンが道に直接落ちてました。マーク・ウォルバーグだけは
オリジナルに無い役ですが、ストーリーを終わらせるための重要な役割を果たしています。