こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「アメリカン・スナイパー」American Sniper

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2014年 アメリカ作品

アカデミー賞レースで話題の一作、見てきました。

アメリカは、常に戦時中なんだということを思い知らされた。
自分が行かずとも、家族や友人の誰かが戦争に関わっている。
日常のどこかで、戦場がある。平和ぼけの日本人の私には、衝撃。
自分の家族や友人にこういうことが起きたら、私は平静でいられるだろうか。

クリス・カイルは、アメリカでは有名な伝説のスナイパー。
ネイビー・シールズに所属し、2003年のイラク戦争以降
4回中東に出征。公式記録としては、最多の160人を射殺。
味方には英雄視され、イラク反政府軍には悪魔と恐れられ、
その首には懸賞金がかけられた。

テキサスのカウボーイが大義にかられ、家族を、友人を、国を守るために
戦場に出ていくが、彼の心は元いた場所からどんどん離れ、失われていく。

アメリカ人だけでなく、イラクの人もシリアの人にも、日常があり
守るべきものがあり、大義がある。大げさに悲劇的にでなく、
淡々と描いた切り口は秀逸。起きていることは一つだが、
それを受けとめる人たちにとっては、その人がどこに立っているのかで
違うものになるのだ。

家族やアメリカ、仲間兵士のため戦って心を失った彼が、同じように
負傷したり心を病んだ元兵士のために働き、自分を取り戻していくのだが
彼の最後はあまりにも皮肉。そしてこれは、真実。

やはり、戦争は何も生むことはないのだ。