2014年 アメリカ作品
監督:クリント・イーストウッド
アカデミー賞レースで話題の一作、見てきました。
自分の家族や友人にこういうことが起きたら、私は平静でいられるだろうか。
クリス・カイルは、アメリカでは有名な伝説のスナイパー。
4回中東に出征。公式記録としては、最多の160人を射殺。
その首には懸賞金がかけられた。
テキサスのカウボーイが大義にかられ、家族を、友人を、国を守るために
戦場に出ていくが、彼の心は元いた場所からどんどん離れ、失われていく。
守るべきものがあり、大義がある。大げさに悲劇的にでなく、
淡々と描いた切り口は秀逸。起きていることは一つだが、
それを受けとめる人たちにとっては、その人がどこに立っているのかで
違うものになるのだ。
家族やアメリカ、仲間兵士のため戦って心を失った彼が、同じように
負傷したり心を病んだ元兵士のために働き、自分を取り戻していくのだが
彼の最後はあまりにも皮肉。そしてこれは、真実。
やはり、戦争は何も生むことはないのだ。