伊坂幸太郎のベストセラー・ミステリーの映画化ですが、原作も読んだことが無く、映画についてもスタッフも俳優も何も知らずに見に行ってきました。不思議で、切なくて、思わぬよい作品に出会いました。
仙台の大学に入学するために、東京から引っ越してきた椎名。アパートの隣室に住む河崎という男と知り合います。彼は、同じアパートに住む、引きこもりのブータン人ドルジに広辞苑をプレゼントするために、本屋を襲撃しようと椎名を巻き込みます。河崎が盗んできたのは、何故か“広辞苑”ならぬ“広辞林”。椎名は河崎に振り回されながらも、彼が語る河崎とドルジと元カノ琴美に起きた話に興味を抱いていきます。
人間関係が希薄な世の中で、それそれ皆孤独なのに周りとの距離を気遣いながら生きている感じがします。そんな中で、3人の運命が交差し、別の1人がその真実を知ることになる。
ブータン人は輪廻について語っていましたが、3人は前世でも何か深い因縁があったのかも知れませんね。そして必然的に出会って事件が起こった。そんな3人の運命にあとから関わった椎名も因縁があるのでしょう。それとも、椎名は天使として彼らと関わったのか。彼らを結びつけるのは、“風に吹かれて”。彼らの本当の真実は“The answer is blowin’ in the wind…” 原作読んでないのでわかりませんが、映画としては最後の返しをシンプルに描いています。切ないけど、救いはあります。
主演の瑛太、濱田岳、関めぐみは、初めて見ましたが、期待の若手俳優さんですね。まだちょっと青いトマトのような感じが新鮮でよかったです。