こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「ミス・ポター」 Miss Potter

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英国ビクトリア朝あたりを時代背景にした物語は、複雑な社会構造にうんざりはするものの
その微妙ななかで人間の奥深き欲望や情念がよく現れて、ついつい引き込まれてしまいます。
イライラするけど、どきっとする、成熟した面白さっていうのがあるのかなあ。

このミス・ポターは、そんな複雑なお話ではありません。でも、誰もが知ってる
ピーター・ラビットの生みの親とはいえ、時代が時代、独身女にはいろいろな社会的
制約と風当たりがあったりするわけです。そんな中で自分を貫き、自分の人生を生きる
ビアトリクス。私はこんな時代に生まれずよかったなあと胸をなでおろしつつも、情熱を
持てるものがある彼女をうらやましく思ったりもしてしまいます。

どこまでがフィクションかはわかりませんが、彼女の成功と恋愛話は、時々動き回る絵の中の
動物達と美しい湖水地方の風景でおとぎ話のよう。でも、成功で得た収入で農園を買い取り、後に
国に寄付をする(ナショナル・トラストの始まり)なんていう姿をみると、とっても現実的で
地に足のついた人間だったのだと思います。

自分の好きなものに導かれ、自分を貫いたベアトリクスに、拍手。

レニー・セルウィガーは、上手い女優さんとは思いますけど、表情の作った感じが鼻に付く
とこがあってあんまり好きじゃないんだけど、今回は育ちのいいオールドミス(死語か?)
ということもあってわりとおさえめ。ユアン・マクレガーは、ビクトリア朝のファッションで
妙にオヂさんになりました。エミリー・ワトソンは、こんな人いそうな独身女。上手い。