こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「台北に舞う雪」 台北瓢雪

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コンペティション出品作品
2009年中国・日本・香港・台湾作品
監督:フォン・ジェンチー  脚本:ス・ウ、田代親世
出演:チェン・ボーリン、トン・ヤオ、トニー・ヤン、モー・ズーイー、ジャネル・ツァイ

<あらすじ>
声が出なくなった新人歌手のメイは、失踪し台北郊外の小さな町にやってくる。
そこで暮らす青年モウに出会い、彼の手助けで生活を始める。やがて、彼女の
居場所が新聞記者の知るところとなり、彼女に迎えがやってくる。

監督は「山の郵便配達」のフォン・ジェンチー。やっぱりなんだか優しい作品になっています。
フォン監督は、東京国際映画祭には、2003年にも「故郷の香り」で来日、作品は東京グランプリを
獲得しています。

典型的なハッピーエンドではなく、悲恋の映画でもありません。人々の孤独や満たされぬ想い、
すれ違う思い、そしてお互いの思いやりが描かれています。モウは、街中の人たちの
雑用を一手に引き受ける心優しい青年でですが、幼いころ母親に捨てられたことからの
孤独から抜け出せないでいる。メイも、青島から台湾にやってきて歌手となりましたが、
届かぬ想いと自分の不安定な立場に心を痛めています。だれもが不安と届かぬ想いを抱えてるのです。

チェン・ボーリンも、東京国際映画祭は三回目の来日だそうです。私は「藍色夏恋」で
初々しい高校生役の彼に遭遇しました。だいぶ大人になりましたが、相変らす素朴な青年です。

メイ役のトン・ヤオは、映画の中でも言われていましたが、チャン・ツィイー似です。
北京の中央戯劇学院出身なんだそうです。

この作品、中国・日本・台湾・香港製作の映画であることが、一つのポイントだと思います。
中国のフォン・ジェンチー監督が、日本人原作のストーリーで、台湾で撮影する。
アジアの距離が狭まってきたととるか、中国の資本抜きでは映画を作りにくくなっているととるか。
香港映画なんて今や中国資本無しでは悲惨な状況のようですし、台湾もしかりということなのか。

まああまり裏の事を考えるより、まずは映画を楽しみましょう。単線電車の通る小さい街と
ランタン祭リの風景が、旅愁をさそいます。あー、台湾行きたいなー。

日本では、2010年1月正月第二弾上映です。