こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「ボディーガード&アサシンズ」 十月圍城

イメージ 1
 
2009年中国・香港作品
 
監督 : テディ・チャン
      レオン・ライ、ワン・シュエチー、フー・ジュン、クリス・リー、サイモン・ヤム、エリック・ツァン
 
中国映画週間オープニング作品の、「ボディーガード&アサシンズ」。1906年、香港で武装蜂起のための
密談を行う孫文を狙う清朝の暗殺者と、孫文を命がけで守る無名の人々のお話。
 
革命を果たしたいものあり、それを支援する大商人あり、民主の思想に理想を見る若者あり、
自分ではない誰かのために、闘うものあり。こういう生命を賭した市井の人々があってこその
辛亥革命。“ヒーロー”のいない、ヒーロー物といってよいのではないでしょうか。
 
とはいえ、これだけのキャスト。エンターテイメントのアクション物としても、人間ドラマとしても
見ごたえがあるものとなっております。孫文来港という歴史を超えて、関わる人々の群像劇を
堪能できます。大商人であり、社会を見る目を持ち、父親でもある李玉堂(ワン・シュエチー)の心の動き、
心優しい使用人阿四(ニコラス・ツェー)の忠誠心と恋心、バクチ打ちで飲んだくれの沈重陽ドニー・イェン)が
見る悲しい夢。死んだ恋人の幻、子弟の葛藤、家族への愛、理想、様々な感情がが彼らを突き動かして
いきます。盛り込みすぎの部分もなきにしもあらずですが、どこかで自分の心に触るポイントがあるはず。
 
豪華キャスト、アクションもさることながら、100年前の香港の姿を再現したそのオープンセットに
目を見張ります。映画の進行とともに、この街の中に紛れ込むこと間違いなし。臭豆腐の匂いがしてきそうです。
 
惜しむらくは、映画祭用につけた字幕のお粗末なこと。時間あたりに長すぎる文字数、文節外の改行、
立場や性別による言葉の違いの混濁、日本語では通常使用しない漢字の利用など、読みづらいこと。
2011年GWに(ギャガ配給)、新宿のシネマスクエア東急で上映することが決定していますが、
たくさんの人に映画を理解しもらうために、お願いだから字幕はちゃんとしたものをつけてほしいです。
 
さて、映画の中では、目覚めつつある人々によって民主・デモクラシーが語られますが、今の政府や
市民の方々には、語られる理想がどう映るのでありましょう。あくまでエンターテイメントな映画でありますが
それでもやはり、現実に影響を与え、現実のの影響の元さらされざるを得ないのが、映画というメディア
でありましょう。
 
おまけ。おとりを立て、孫文を守る行動がどこで行われたかが分る地図です。(香港電影June 09 Issue)
これを見ながら、街を楽しんでみましょう。
 
イメージ 2