大事なものを失くした2人の男女が引かれていく話です。不器用だけど、情感あふれる優しい男を
決して色男ではないラウ・チンワンが演じ、若いながらも自分の愛した人が残したものを
必死に守ろうとする健気な女性をセシリア・チャンが演じます。とはいえ、彼女が小巴
（ミニバス）運転するってのはちょっと現実味なさすぎか。でも、彼女「プロミス」の運命の
美女よりは、こういう庶民的美女の役が妙にはまります。
ところで、小巴っていうのは、まるで個人タクシーのようなものなんですね。運転手が個々に
自分の小型バスを持ってて、組合みたいなのに加入して個人経営してるんです。縄張りみたいなのも
あり、客の取り合いなんかもあり、何でも激しい自由競争にさらされる、香港の経済活動の
縮図のような厳しい世界でありました。
イー・トンシン監督ときて、ラウ・チンワンときて、美少女とくれば、泣かせるお話。
その上身寄りのなくなった男の子がからんで、涙なくしてはみられません。子役は香港で
人気の子役、原島大地くんです。あの歳で、中国語も日本語も話すんだから、すごすぎる。
