こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

カサノバ

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18世紀一のプレイボーイ、カサノバを描いたお話ですが、ヒース・レジャーにはカサノバ
艶っぽさが今ひとつたりない感じ。“リバティーン”のジョニー・デップのほうが
危険度上で翻弄されたいです。華麗なる恋愛模様も物足りないし。でも、このカサノバ
真実の愛に目覚めるぐらいですから、ちょっと純なくらいのほうがよいのでしょう。カサノバ
なんて、ラッセ・ハルストロム監督ぽくない主題だと思いましたが、ストーリーは彼らしい
ファンタジックで人間味のあるテイストとなっていました。

西洋絵画を見ながら、全盛期のヴェネチアフィレンツェがどんなだったか色々想像するのは
非常に楽しいですが、それを目の前で実現してしまうのが映画のすごさ。ロケやセットや衣装だけで
なく、今やCGのお陰で全方位から当時のヴェネチアが再現されてしまうのです。なんという贅沢。
お陰でどっぷり18世紀のヴェネチアの中に浸ることができます。サン・マルコ広場もドゥカーレ
宮殿も、カナルも市場も迷路のような街も、本当に生きている街として蘇っています。

あの時代のヴェネチアだったら、それなりの身分の独身女性は一人歩きさえままならなかった
はずとか、もっと大型帆船が入港してたんじゃないのとか、背景的な不満は多少ありますが
お話には全然影響ありません。ヴェネチアでは、他の地域では出版できないような書物を
出版していたり、ヴェネチアとヴァチカンの当時の微妙な関係をコミカルに描いているのは
歴史の勉強にもなります。皆でやさしく幸せになりたい人と、ヴェネチア好きにオススメです。