こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「パフューム ある殺人者の物語」

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話題のとおり、ちょっとグロくて気持ち悪い映画です。主人公ジャン=バティストは
類まれな嗅覚をもつという才能に恵まれながらも、生まれたときから誰にも愛されず
劣悪な環境に育ち、人を愛する方法が分からなかった、かわいそうな男です。とはいえ
あまりにフリーキーでフェチ。

18世紀のパリが薄暗くて汚かったのは、真実でしょう。産業革命が始まり、都市には
人間が集中する。富の配分はかたより、強者は快楽を謳歌し、弱者は底辺ではいつくばる。
原作を読んでいれば、香水のことなど細かい設定が、もっとリアルに浮かび上がってくるのかも
知れません。でも、ジャン=バティスタの物語は、寓話的。彼の周りには不思議な力が関与して
いるかのようです。そして最後はちょっと唐突。彼はその力に挑戦しているのか、それとも
所詮その力に動かされているだけなのか。

ジャン=バティストが最初と最後に魅かれて(殺してしまう)女性が2人とも
赤毛なのは、トム・ティクヴァ監督の好みかな。「ラン・ローラ・ラン」のローラも
見事な赤に染めてましたっけ。

写真は、この映画の舞台のひとつ、グラースの香水博物館で見たブタ型の香水です。