こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「今宵フィッツジェラルド劇場で」

ロバート・アルトマン監督の遺作、余韻を残して終わりました。

30年以上も続く公開ラジオ番組の最後の一日。出演者たちや裏方で働く人たちの
人生を垣間見せながら、番組が進行していきます。歌う司会者、ゲストミュージシャン、
番組スタッフ、探偵気取りの保安係。皆人生いろいろあって、今ここのステージに
立っている人たちです。最後の一日ですが、彼らにとってはいつもの一日のように
過ぎて行きます。ときおり天使が彼らに魔法をかけながら。

たった一日の話なのに、皆の人生をゆっくり味わうように、ゆったり
ながれていきます。皮肉や嫌味もなく、ただそこに人生がある。誰もの人生が
劇場のショーのようでもあり、主人公でもある。幕を閉じる人生もある。でも
生きていく人々は、何かが終わったように見えてもそれは一幕のことで、彼らの
人生は続いていくのです。アルトマン最後の作品となりましたが、何か彼の
人生の最後の境地を見ているようです。心に残ります。