こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「パッチギ! LOVE & PEACE」

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前作と同じファミリーの物語ですが、舞台が京都から東京に変わり、出演者もかわっていますので
前作を見ていなくても全然問題ありません。

アンソンは息子チャンスの病気のために、一家を引き連れて東京に出てきています。
キョンジャは芸能プロにスカウトされ、難病のチャンスのためにお金を稼ごうと
デビューします。アンソンも息子のために、喧嘩で出会った元国鉄職員佐藤を巻き込んで
無謀な計画に手を染めることになります。

1974年の東京が舞台で、私が見た昭和40年代の風景そのままを楽しむことができました。でも、
当時国鉄の労組が紛争を起こしていたのは、あまり実感がない。子供だったからなあ。おまけに
国土館(^_^;)のヤンキーな兄さんたちが、京浜東北線であんな過激にケンカするなんて。
全然知らなかった。ホントにあったんですかあ?ワイルドな時代だったんですねえ。

アンソンの家族の現在の物語の間に、ポツポツと父親が済州島から徴兵を逃れて脱出する
エピソードが組み込まれます。突然なので、最初はちょっと違和感があったのですが、
キョンジャが日本人女優として第二次世界大戦を舞台にした娯楽アクション戦争映画に
出演することになったあたりから、現実の重さと虚構のうそ臭さの対比が鮮明になり、効果的に
なっていました。人間の命や人生を、奇麗ごとの嘘で語ることはできません。過去の本当を
知らなければ、今のそこにいる人たちのことも今のある状況も理解できませんよね。
そしてやっぱり、人間生きてこそ。何でLOVE & PEACEか分かりましたよ。

それにしても井筒監督、若い頃ケンカばっかのやんちゃ者だったのでしょうかね。ケンカの
シーンは、マンガチックながらも楽しそうにやってる気がする。