こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「エリザベス:ゴールデン・エイジ」 The Golden Age

こういった歴史大作に続編があるのも珍しいですが、前作から9年も経ってからというのも珍しいでしょう。不遇な庶子から国を動かす女王になるまでの成長には、9年の月日も必要だったのかもしれません。

ヨーロッパ諸国から孤立し、内政的にも問題を抱えたイギリスがスペインの無敵艦隊を破り、黄金時代を迎える時代。エリザベスが、苦しみながらも一人の女性であることから脱皮し、女王として、国民の母としての自覚や誇りを持つに至るまでの過程と重なります。スペインやヨーロッパ諸国との関係、メアリー・スチュアートカソリックとの対立など、歴史的な背景もしっかり頭に入ってきます。また、新大陸から運ばれた新しい産物や息吹が、この時代のダイナミズムを感じさせます。

ケイト・ブランシェットの浮世離れした美しさは、人を寄せ付けない女王そのもの。気高さの中に見せる心の揺れが、染みます。時代的な好みもあるとは思いますが、とっかえひっかえの豪華絢爛ドレスも見ものです。女王とはいえ、毎日着替え大変だったのだろうなあ。そして、ワイルドなクライブ・オウエン、女王に振り回されちょっと情に傾きがちですが(でも、史実のようです。)、海の男としての活躍は最後にバッチリです。