こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「ブラッド・ブラザーズ」 天堂口

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2007年 香港・台湾作品
監督:アレクシ・タン  製作:ジョン・ウー
出演:ダニエル・ウースー・チーチャン・チェンリウ・イエ、トニー・ヤン、スン・ホンレイ

<1930年代の野望と欲望の魔都、上海。成功を夢見て、この大都会にやってきた貧しい3人の若者たち。
成功のために裏社会の仕事に手を染めたことが、彼らの運命を変えていく。>

まるで「上海灘」を見るような設定と背景ですが、男たちの野望と欲望、絆と裏切りがより
色濃く描かれています。特に、“兄弟”の愛憎が、彼らの絆と裏切りの動機になっています。
そんなところから、邦題の“ブラッド・ブラザーズ”という題名が付けられたのかと思います。
(または、英題のカタカナ読みかも)

原題の“天堂口”は、“天国の入り口”もしくは“楽園の入り口”という意味で、彼ら
貧しい若者が求めていたものにほかなりません。求めたもののために、傷ついていくのですが。

監督のアレクシ・タンは、これが長編映画初監督。CMやミュージック・ビデオなどで
活躍し、ジェイ・チュウを使った短編映画がジョン・ウーとテレンス・チャンの
目にとまったということです。各シーンが、そこだけとっもきっちり絵になっていて、
スタイリッシュな映像です。

香港、台湾、大陸の若手有望俳優が集められたキャスティングには、目を奪われます。
ダニエル・ウーチャン・チェンが、並び立つ姿は、なんとまあ美しい。

ルルとマーク(スー・チーチャン・チェン)の報われない恋人たちがせつない。
(この二人、実際は恋人同士のはずですが、まだ続いているのかな?)

彼らの間に現れるアフォン(ダニエル・ウー)は、なんだか天使のようですが、
でも血まみれの復讐劇からはのがれらないんだなあ。血で血を洗う世界から取り残されていく、
フー(トニー・ヤン)。狂気を帯びていくカン(リウ・イエ)も、また悲しい。

現在、シネマート六本木で上映中ですが、4月にはDVDもリリースされます。