こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「オーストラリア」 Australia

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オーストラリア人監督バズ・ラーマンによる、オーストラリア人俳優主演の
アドベンチャー・ロマンス。往年のハリウッド映画を彷彿とさせる、美男美女のロマンスと
壮大なる自然と冒険に、2時間45分魅了されました。

第二次世界大戦が激しくなってきた頃、イギリス人女性サラ・アシュレイは
オーストラリアに行ったきり帰らぬ夫を訪ねて、オーストラリアのノーザンテリトリー
ある領地、“ファー・アウェイ・ダウン”までやってくるが、何者かに夫を殺されてしまう。
残された広大な牧場を守るため、ダーウィンにいる軍に牛を売ることに決めたサラは、現地の
カウボーイ、ドローバーを雇い1,500頭の牛を引き連れ9,000kmの旅に出る。>

まずは、“流通”の手段が、生きたまま移動させて船にのせることだっていうことに
びっくり。「エデンの東」のキャベツだかレタスではありませんが、60年前には今のように
リーファー・コンテナとかなんてないわけですから、現在のように製品化したものを冷凍・冷蔵
して輸送する手段がない。ということは、生きたま牛を移動させるしかないわけですよね。
それも、人間の手で。オーストラリア人がごつくてタフなわけを、今さらながらに納得して
しまいました。牛大群を追い、敵に追われるう映像は、CGではありますが迫力満点。

サラ(ニコール・キッドマン)とドローバー(ヒュー・ジャックマン)の関係と
その土地の歴史を扱ったという点で、「風と共にさりぬ」と比較される様子もありますが、
私はどちらかというと「愛と哀しみの果て」と比べたい。二人の関係は、ヨーロッパ貴族のカレンと
自由人デニスの関係に近いでしょう。しかし、オーストラリアの歴史と広大な自然が、
バズ・ラーマン独特の舞台的エンターテイメントに彩られ、独自のカラーとなって描かれています。

ストーリーのもう一つのキーになっているのが、オーストラリア原住民のアボリジニー
オーストラリア映画裸足の1500マイル」でも描かれていましたが、この時代はまだ彼らにとって
厳しい時代でした。彼らに対する差別はもちろんのこと。混血の子供は強制的に母親から引き離され、
施設に入れられたり、白人の養子にされたりしていたのです。エンターテイメントでもありながら、
自分たちの歴史の暗黒部分であるアボリジニーに対する偏見や差別、そしてアボリジニー自身の
アイデンティティにも向き合った映画ともいえるでしょう。

映画の最後には、日本軍のダーウィン空襲が描かれますが、これも歴史の一幕。これらを乗り越えて
今のオーストラリア人の自信と誇りがあるのだろうと感じました。これぞ、オーストラりア。
ここまで来たら最後にオーストラリアの準国歌“ワルシング・マチルダ“を聞きたかったなあ。

それにしても、オーソドックスな美男美女。いいですねえ。あれだけ日に当たっても、
お肌にしみ一つないニコール・キッドマン。どうやってキープしてるのかしらと思って
しまいます。筋肉美で野性的なドローバーのヒュー・ジャックマンがひげをそって
白いタキシードでパーティに出てくる様子をみて、友達は“サービス・ショットだ”と
のたまっていました。たしかに、クラっときそうですう。