こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「愛を読む人」 The Reader

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2008年アメリカ・ドイツ作品
製作:アンソニー・ミンゲラシドニー・ポラック
監督:スティーブン・ダルトリー  脚本:デビッド・ヘア
出演:ケイト・ウィンスレットレイフ・ファインズブルーノ・ガンツ、デヴィッド・クロス

第二次世界大戦後のドイツ。15歳の少年は、年上の女性と恋に落ち、彼女に頼まれ本を朗読するになる。
しかし彼女は突然姿を消す。そして8年後、再び彼の目の前に現れたのは、法廷の上。戦時中の罪に
問われようとしていた。

世界的ベストセラー「朗読者」が原作のこの映画、とても丁寧に人間を描いていると思います。
マイケルもハンナも多くは語りませんが、表情や映像が十分語ってくれます。

ストーリーは、歳の差のある男女の秘めた恋でもあり、一人の人間の尊厳でもあり、
人間の良心の話でもあります。そこに、ナチとユダヤ人迫害に対する、戦後のドイツ人の
複雑な思いがからみます。

マイケルの思い、ハンナの秘密。人には言えない気持ちをずっと抱えている痛み。
人間と人間の間の、埋まらない溝。一筋縄ではいかない、人間の切ない部分が描かれています。

映画について、原作について、何も情報なく見ても深いです。いろんなことを考えさせられます。
予定調和のストーリーや、展開が読めるキャラクターをではないから。いろんな場面で、
自分ならどう考えるか、何を選ぶか、考えさせてくれます。

原作を読むとより深く考えることができるのかもしれません。二人が読んだ小説の一編一編も、
もっと感じてみたいです。