こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

上海で出会った人々

経済成長めざましい上海ですが、もちろん光の当たる部分と影になっている部分があります。
でも、人々が光をめざして奮闘している姿を、感じることができます。

日本料理店で働く、若い仲居さんたち。彼女らは、地方出身で学歴も高くありません。
一日12時間、週休一日の労働、もちろんお給料も上海で暮らしていくにはさほど高くありません。
同僚と3人ぐらいで狭いアパートを借りて、同じベッドに3人で寝るような生活だそうです。だけど
彼女らはとっても明るい。気さくで気取りなく、率直に自分のことを話します。(日本語も結構
お上手です。)彼女らは、自分の今の状況を良いものとは考えておらず、自分の店を持とうと
考えていたり、いずれは事務系の仕事をしたいのでコンピューターの勉強をしていたりして
前向きです。

“不要”といい続けたにもかかわらず、“見るだけ”と最後まで食い下がってきた、にせ
ブランド屋のお姉さん。でも、全然いやらしいところがなく、ほんとに見だけの客にも
気持ちよく応対していた。もし、今度だれかほんとに品物が欲しい人がいたら、彼女から
買ってあげようと思い、名刺をもらっていく人。彼女はこうやって、実績を上げていくに
ちがいない。

知り合いの会社で働く人たちや、日系企業で働く若い女性、彼らは日本に行ったことがある
わけではないのに、流暢な英語や日本語を話します。上海では英語教育が熱心で、地下鉄内のTVでは
デビッド・ウーがやっている英語のフレーズを楽しく覚える番組をよくやっています。親も
子供の教育に熱心で、電車の中で小学生の子供に英語のテキストをさせている人を見かけました。
CNNとかではなく、中国人向け英語のケーブルテレビ局もあり、若者が英語で討論をするような
番組もありました。彼らにとって語学は、よりよく生きるため手段の一つなのです。

私が出会った人たちは、いわゆる上海のバブルに乗った人たちではありません。でも、上を
目指して頑張っています。日本人からみれば、とっても泥臭い方法で。でも、光がみえるからこそ
頑張れるのだと思います。中国では、まだまだいろんな社会問題が解決せずにいます。都市は豊かな
反面、何のあてもなく地方から出てきた人々が駅で座り込み、街には身なりの良くない少年たちが
います。賄賂や不正の問題はあとを絶たず、バブルもいつ弾けるかという懸念があります。
でも、こういう普通の人々の努力が、どこに行っても通用する技術を持つ人間を育て、
またそれを目指す人々が出てくる。そして、いずれ社会の底上げをするに違いないと思うのです。

私だって、今からそんな苦労ができるわけではありません。でも、少なくとも彼らに負けない
だけの力を持つ人間でいられるよう、努力したいなと思いました。