Love Song （甜蜜蜜）

テレサ・テンの曲をベースに、1人の男と1人の女の10年を綴った映画があります。
この映画を見て、テレサ・テンの曲を聴くようになり、中国語で歌いたいと思うように
なったことを思い出しました。テレサの中国語の歌は、とても伸びやかでキレイです。
大陸の人にとっても、香港の人にとっても、テレサ・テンはただの人気歌手ではありません。
そんなこを初めて実感した映画です。

二人は1986年に大陸から香港にやってきました。男は天津から、女は広州から。
男には婚約者がいますが、孤独な香港での生活を埋めるように惹かれあっていきます。
男のnaiveさが女を傷つけ、女のとった行動が男を置き去りにします。10年に渡る二人のすれ
違いは切ない。（まあ、レオン・ライ演じる男の行動が、“悪意無く”ってことが不幸の始まり
なんじゃないかとは思うけど。）

また、様々な場所から香港にやってきた人たちの物語があります。皆、夢を抱き
香港にやって来て、去っていきます。返還前10年の香港や中国人社会移り変わりも、垣間見る
ことができます。ピーター・チャン監督は、そんな人間の感情の機微をとても丁寧に描いています。

映画の中で流れてくるテレサの歌は、日本人におなじみの曲もありますが、二人がテレサ・テンの
死を知ったときに流れる「月亮代表我的心」（他の映画の中でも聞くことができますし、男女を
問わず、香港の歌手の方がコンサートなどでよく歌っています。）と、二人が自転車に乗って
口ずさむ「甜蜜蜜」は、中国語初心者がカラオケで歌うにはオススメの歌だと思います。