こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

TIFF 浮気雲

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ツァイ・ミンリャン監督と俳優リー・カンションのコンビは、もう14年になるそうです。
東京国際映画祭にも何度も2人参加しているので、おなじみ。一見じみーな2人ですが
固定フアンも多いようです。この監督さんも、言いたいことたくさんあったみたいで、
一つの質問に多くの答えを出していました。

ツァイ監督の映画は、見るたび毎回終わりのない螺旋階段に足を踏み入れたような感覚に
陥ります。最小限のセリフと、限られた空間の中で延々と繰り返される俳優たちの行動。
閉鎖された空間の中で、他との関わりを持てない人たちの強烈な孤独感。そんなことを
いつも感じさせられます。

今回のシャオカン君(リー・カンション)の役どころは、AV男優。のっけから、
日本のAV女優夜桜すももとのからみで、見る人もびっくり。AV男優という設定に
したのは、過酷な職業であるからだという。監督いわく、AVも映画も使い捨てされる
ということでは、同じ。使い捨てられることによって、新しいものも生まれてくると
語っていました。

主人公は、過去に知り合った女性と再開しますが、何かがちぐはぐ。でも、あの
最後の強烈なシーンは、彼と彼女の孤独感は昇華されたととってよいのでしょうか。
ツァイ監督とシャオカンは、今後どんな世界に足を踏み入れようとしているのでしょうか。