こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

リバティーン

ジョニー・デップの新作、見てきました。デップ様といえば、「シザーハンズ」にしろ、「ギルバート・グレーブ」にしろ、どんな役をやっても目がものを言います。「デッド・マン」で、段々弱って死んでいくネイティブ・アメリカンの役なんて、本当に目の中の光が段々弱くなっていくように感じるのです。あんたはすごい。

ホントはとってもいい男なんだけど、汚れ役大好きなデップ様。だいたいクセのある役をやることが多いですが、最近はやんちゃだった彼も子供ができて結婚して大人になって、あんまり刹那的な役はありませんでした。でも今回は、金と美貌と頭はあるが、傍目から見れば自己コントロールができないダメ男。怪しいロンドンの下町の居酒屋で、怪しい友達と飲んだくれる毎日。綺麗で金持ちの奥様を、彼なりに愛しているんだろうけど、家庭生活を維持できない。自分が身を置く特権階級というものが気に入らず、お下品な劇と過激な言動で砂をかけながらも、抜け出すことができない。駆け出しの女優に入れあげて、利用される。あげくの果てに梅毒でぼろぼろになり、若くして死んでゆくのです。

こんなトンでもな役でも、彼の中の自由に対する意志とか、生きることへのこだわりみたいなものが最後まで感じられるのは、ジョニー・デップの“もの言う目”だから、といえるでしょう。夏になったら、またパイレーツ姿でお会いしましょう。