こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

グッドナイト&グッドラック

なかなか硬派な映画です。50年代の赤狩り旋風が吹き荒れるアメリカで、マッカーシー議員の
やり方を告発していくCBSテレビの実在のジャーナリストのお話です。

自分がいつ共産党員だと告発されるかわからないという恐怖。その恐怖をことさら強調すると
いうような映画ではありません。テレビ放送の黎明期であり、機材も通信システムもプリミティブで
ありながら、今と変わらぬ“人気”と“経済の論理”のプレッシャーを抱えながらも真摯に報道に
取り組む人たちの姿が美しい。“今”の映像を垂れ流し、たいした検証も行われず、キャスターの
主観を押し付けるような報道番組に比べれば、一つの問題に丁寧に取り組み、視聴者に問題を
提起する姿こそが報道のあるべき姿なのではと思います。

50年代のテレビ放送の雰囲気を映し出すモノクロ映像と、ストーリーの合間にストーリーを
映し出すような甘い歌声がすてきでした。