「今すぐ抱きしめたい」 （旺角卡門）

監督・脚本　：　ウォン・カーワイ　　1988年香港作品
撮影　：　アンドリュー・ラウ
美術　：　ウィリアム・チャン
出演　：　アンディ・ラウ、マギー・チャン、ジャッキー・チュン、アレックス・マン

今週はアンディ来日記念週です。

ウォン・カーワイ監督第一作目、もう18年も前の作品になります。主演のアンディ、ジャッキー、
マギー共、まだ20代のアイドル時代と言っていいでしょうか。ヤクザの下っ端で借金の取立てを
やっているアンディのところに、従妹のマギーが病気治療のためにやって来て、2人は魅かれあって
いきます。弟分のジャッキーは、思慮に欠け、何かとブチきれて問題を起こし、アンディに面倒を
かけてばかり。アンディがマギーとの将来を考え始めた矢先、ジャッキーが殺しの仕事を引き
受けたことを知り、マギーを残しジャッキーを止めに行くことになり、悲劇が起こります。

さて今日は、最近ユニバーサル・ピクチャーズから発売されたデジタルリマスター版DVDを
鑑賞しました。私が最初この映画を見たのは上映からだいぶ後、ビデオが最初だったし、
劇場で見たのもキネカ大森のリバイバル上映かなんかだったので、あんまり状態の良いものを
見ていなかったのです。でも、そのちょっと色あせた感じが、この映画の味でいいと思ってました。
でも、このデジタルリマスター晩を見てびっくり。原色が強烈なんです。ちょっと印象違うなって
感じ。

それだけじゃなく、音楽が違う。アンディがジュークボックスにコインを入れ、その後
船に乗りバスに乗り、マギーの住む島へ向かうシーンにかかる曲が、サンディ・ラムが歌う
「激情」という曲になっていました。これって、「トップガン」の中の"Take My Breath Away"の
カバーなんです。以前プレノン・アッシュから出ていたDVDでは、この場面は王傑＆葉歓の
「你是我胸口永遠的痛」というデュエット曲でした。印象が違うからびっくり。発売元が
違うから、字幕なんかは変わるだろうと思っていたけど、バージョンが違うとは...。
これって、アメリカで上映されたときのバージョンなのかな。やっぱり、昔のDVDも
取って置かなくてはいけませんねー。物が増えるばかりです。

映画自体の内容に話を戻しますが、映画の構成は、以後のウォン・カーワイ作品と比べると、
それまでの香港映画の作風をを踏襲したような物となっています。映像的には
撮影監督がアンドリュー・ラウということもあり、その後の「古惑仔」シリーズに繋がる
ような色合いも見受けられます。（脇役の人とか、その後チンピラ映画良く見かけます。）
初めてこの映画見たとき、あまり免疫なかったので暴力の激しさにびっくりしました。

ジャッキーはこのぶち切れ役で助演男優賞を受賞しています。ジャッキーはこの頃、下っ端
チンピラとかぶち切れ役多かったようですね。実際の彼は穏やかな渋いおじさんになりました。
この頃だって実際にはおだやかな方だったのでしょうが、映画を見るとマジ怖い人に見えます。
アンディは、こういう男気のある系の役多かったのですね。これぞ、アンディの役って
感じでしょうか。この映画みて若いなーと思いましたが、変わってないなーとも思います。