こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「雨音にきみを想う」 摯愛 embrace your shadow

2005年、香港映画です。監督ジョー・マーの作品は、あまり日本で劇場公開されて
おりませんが、「百分百感覚」「ファイティング・ラブ」「サウンド・オブ・カラー/
地下鉄の恋」など、オシャレなラブストーリーがヒットしている監督です。

全身麻痺の兄とその娘の面倒をみるために、必死に働く若い娘ウィンイン。迷子になった
姪のシウヤウを助けて家まで送ってきた若い男チョッカン。人に言えない悩みと孤独を
抱えた二人は互いに魅かれあうようになりますが、チョッカンが関わった裏社会の
仕事のために、引き裂かれていくことになるのです。

セリフによる背景説明が少ない映画です。確かに、映像だけでよく判る部分も多いのですが
チョッカンと母の関係が(想像はできますが)はっきり述べられていません。そのためか
チョッカンの抱える孤独感が伝わりにくく、なぜそんなにウィンインとその家族に
魅かれたのか分かりにくいのです。金に困っていないような母親の、その息子が
一匹狼の泥棒家業っていうのも必然性が見えない。なんでそんなことになってるのよ。
ウィンインが遺伝するかもしれない病気を恐れているのが見えるのも、ちょっと唐突。
落ちは「オーバー・サマー」的。(ジョー・マーがプロデューサーです。)
最後はちょっと作り過ぎかなあ。

でも、孤独な2人の純愛を、切なく奇麗に見せてくれたのは主演の2人のおかげでしょう。
ディラン・クオは、来日時に速水もこみち似っていうことで話題になってたけど、
私はディランのほうがシャープな顔で好みだわ。背がたかくて顔が小さくて、
手足が長くて、漫画の主人公のように奇跡的です。フィオナ・シッは、イー・トンシン
監督の「早熟」で話題になりましたが、人気アイドル歌手なんだそうです。童顔
なのかな?年より若く見えますが、純な感じで良い感じです。動けないお兄さん役
にはチャン・コッキョン。顔の演技で苦悩を見せます。子役のチャン・チンユーは
すごい。泣き顔に心打たれます。君のセリフの広東語は、私にも解ったよー。