こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

東京国際映画祭 「リトル・ミス・サンシャイン」 Little Miss Sunshine

2006年アメリカ作品
監督:ジョナサン・デイトン&ヴァレルー・ファリス
出演:グレッグ・キニアトニー・コレット、スティーブ・カレル、ポール・ダノ

自分の考案した成功プログラムを出版するために財産をつぎ込んだ父親。無言の行を9ヶ月も
続けている、10代の混乱した息子。自殺未遂を起こしたホモセクシュアルプルースト
学者のおじさん。素行不良で老人ホームを追い出されたお爺さん。ミスコンで優勝することを
夢見る女の子。家族をまとめようと、一生懸命なおかあさん。そんなバラバラな家族が、娘の
ミスコンのためにアルバカーキからロサンゼルスまでボロVMバスで旅に出ることになります。

監督おふたりは、夫婦で20年以上ミュージック・ビデオの分野で活躍されていた
方々です。監督としての責任分担はどうなっているのかという質問に、何事も
平等に行っているとの答えでしたが、夫婦で2人で同じ方向をむいて一つのものを造り
あげるなんて素晴らしいことだと思いました。2人の夫婦としての歩みがこの映画に
反映され、ちょっとほろ苦くて暖かい味付けになっているのだと思います。

ちょっと変わり者の家族ですが、だれでも共感できそうなエピソードが続いていきます。
皆夢はあるものの、それぞれがちょっといわゆる負け組。でも、世の中で喧伝されている
ような“成功法則”のようなもので、人間は幸せになるわけではないのです。何が自分に
とっての幸福か、それを支えてくれる人は誰か、映画は教えてくれます。

サンダンス映画祭で絶賛されたのですが、当初アメリカでは数館での小規模上映しか
行われなかったのだそうです。それが口コミで公開が広がり、ロングランになった
ということです。アメリカ映画にありがちの、大げささや奇抜さには無縁の
心温まる映画でした。