こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

東京国際映画祭 「おばさんのポストモダン生活」 姨媽的後現代生活

2006年 中国・香港作品
監督:アン・ホイ  製作:ユアン・メイ、チャン・ワン
脚本:リー・チアン、ヤン・ヤン
出演:スーチン・ガオワー、チョウ・ヨンファ、ヴィッキー・チャオ

70年代香港ニューウェーブの旗手といわれた女性監督アン・ホイの作品ですが、舞台は
上海。移りゆく都会生活からは取り残されたような、1人暮らしのおばさんが主人公です。

おばさんは定年退職後、上海のアパートで一人暮らしをしています。おばさんは
携帯も持たず、電気代も節約しながら、つつましく暮らしています。1人暮らしとはいえ
日々関わる人たちとの間で起こることで、周りの奇妙な人たちのことだけでなく、
おばさんの人物像と、意外なる事実がわかってきます。

この物語は、都会の人々の孤独をとらえているとも、都会での生活の厳しさとも取れ、
年老いていくことへの恐れ、家族の葛藤といったいろいろな側面からみることができます。

そして、足の事で好きな子に告白できない少年、顔に焼けどを負った少女、働かずに人を騙して
生活している中年男、生活苦で当たり屋をする女などなど、登場人物はそれぞれ自分の意思では
どうにもならなかったことに対する怒りや後悔やあきらめを持っています。1人勝気に生活していると
思われたおばさんも、例外ではありません。そして人生は、容赦なく淡々と流れていきます。

節目に現れた、あの大きな月はなんだったのだろう。ティーチインがあれば、ぜひともきいて
みたかったです。それから、チョウ・ヨンファ。京劇の歌を歌いながら登場。こんな怪しい
ヨンファなんて、最近見たことありません。会場からざわめきが起きていました。おばさん、
こんな見るからに怪しい男に騙されちゃだめだよー。