こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「トリスタンとイゾルデ」 Tristan + Isolde

2006年 アメリカ作品
監督:ケビン・レイノルス
出演:ジェームス・フランコソフィア・マイルズルーファス・シーウェル

イギリス中世の騎士伝説のなかに語り継がれる悲恋の物語ですが、伝説だけに諸説もろもろ
色々なストーリーがあります。基本は、トリスタンとイゾルデが道ならぬ恋をしてしまう
ところにあります。以前に読んだ本をひっくり返してみたんだけど、映画のストーリーは、
ペディエの「トリスタンとイズー物語」よりは、ブルフィンチの「中世騎士物語」のほうが
近いと思います。現代人にもわかりやすくアレンジされているのでしょう。

ローマ帝国の衰退後、ブリテン島のほうは民族ごとに分裂し、アイルランドのほうが勢力が
強かった頃のお話です。長い歴史、そんな時代もあったのだと、あらためて納得。両岸のの
歴史的相克がいかに長く激しかったかということを考えさせられます。そして、イギリス人の
物語も業の深いこと。忠義あり、裏切りあり、不倫があって、叶わぬ恋あり。命を守るために
腕まで落とした男の子に、奥様が夢中だなんてねえ。そういえば、アーサー王ランスロット
奥方とられちゃうんだっけか。

身分を偽ってイゾルデがトリスタンをかくまっていたとき、彼に両親のことを尋ねます。
“2人とも死んだ”と言った後に、英語では“Another kind of Irish kindness"と
確か言っていたのですが、字幕ではあっさり“子供の頃に殺された”となっていました。
介護してくれた彼女のkindnessに対する皮肉が感じられませんでした。こういうのって
良くあることですが、残念です。

ジェームス・フランコは、スパイダーマンの敵役で赤丸上昇中ですね。トミー・マグアイアより
古典的美男子でいい男です。ルーファス・シーウェルは、いつもはいやなやつ系ですが
今回は豪胆で根のいい人です。彼の顔は、渡辺謙とか隆大介っぽいと思うんだけど。大河ドラマ
向きでしょ。