こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「エディット・ピアフ 愛の賛歌」

主演のマリオン・コティヤールは、いい仕事をしたと思います。
ちょっと猫背でおどおどしたような仕草。辛らつで皮肉屋で
気まぐれ。でも自分に素直で可愛らしく、なんと魅力的。
そして、歌。

エディット・ピアフはフランスの国民的歌手ですから、だれでも
彼女がどんな風だったかを知っている。そんな観客たちを
納得させなければいけないでしょう。私自身は、ピアフのことは
よく知りませんが、20代から晩年までの彼女が乗り移ったように
見えるのではないでしょうか。

ストーリーは、晩年の彼女が回想してるのか、夢を見ているのか、さまざまな
時代と人が交錯して進んでいきます。何も知らない私には、人物関係を
つかみづらかったです。きっとフランスの方々には、ある程度周知の
事実であらためて説明はいらないのでしょう。それより、その時々の
彼女の痛みや喜びが、胸にしみるように伝わってきます。

ピアフにしても、カラスにしても、テレサ・テン美空ひばりにしても
人の心を打った女性歌手の方々は、華やかな成功の浦で辛くて悲しい一生を
送ったように見えます。だからこそ、人の心に残るものを創り上げられた
のだと思います。彼女らの人生の喜怒哀楽を、自分から削り取るようにして。
でも、彼女らは決して自分の人生を後悔しないでしょう。

日曜の朝イチバンに行ったせいか、結構年齢層高めでした。実際、エディット・
ピアフのレコードを聴いてあこがれていた世代の方々なのかもしれません。