こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「ヘア・スプレー」 Hair Spray

明るく豊かでキュートな色合いの、いかにもアメリカらしいミュージカルですが、
実は人種問題という深いテーマを扱った映画でした。

全米で公民権運動が活発になりつつある60年代前半のボルチモアティーンに大人気の
TV番組「コーニー・コリンズ・ショー」に夢中なトレーシー・ターンブラッドは
ちょっとサイズ大きめな女の子。TVショーで憧れのリンク・ラーキンと一緒に
踊るのが彼女の夢。TVのオーディションには落とされたものの、リンクが
主催するパーティでコーニーの目に留まり、ショーに出演して一躍人気者になります。
新しい世界に踏み出した彼女は、リンクとも仲良くなり、今まで出会うことが
なかった黒人のダンサーたちとも友情を深めていきます。

東京国際映画祭で見たドイツ映画「リーロイ!」をちょっと思い出しました。双方の
国の違い、時代背景に40年以上の差があるものの、今でも共通する問題が残っています。
肌の色の違いだけでなく、本当の自分でいること、自分が自分であることの尊さ。
ティーン・エイジャーだけでなく、大人でもちょっと甘酸っぱい思いができる映画です。
'60'sのロックンロール系やR&B系の音楽やファッションの、キャッチーでポップな
感じが新鮮。

“アイスクリーム屋”からハリウッドデビューしたニッキー・ブロンスキーは、まさに
トレーシーのサクセスストーリーを実際にやってしまったわけですね。のびのび可愛く
演じています。

30年前歌って踊れるティーンのアイコンだったジョン・トラボルタ。ミュージカル
復帰役がビッグなお母さん役だなんて大笑い。でも、ちゃんと踊ってるし仕草は女に
なってます。役者ってすごい。そんな、お母さんを相手にラブラブなお父さんを演じられる
クリストファー・ウォーケンもすごい。ミッシェル・ファイファーとブリタニーの白人親子、
いかにもなイジワルさとワガママさが良いです。黒人母のクィーン・ラティファは、
押し出しが欲って存在感ばっちりです。

ティーンのアイドル、リンクのザック・エフロンは既にTVで人気者のようですが、いつの時代も
こういう美少年のナイーブさは、アイドルに必要な条件でしょう。キレイなうちに、これから
どんどんいい役やってください。