「インビジブル・ターゲット」 男兒本色

2007年　香港作品
監督　：　ベニー・チャン
出演　：　ニコラス・ツェー、ショーン・ユー、ジェイシー・チャン、ウー・ジン

＜あらすじ＞

香港で爆弾を使って現金輸送車を襲う凶悪事件が発生。その事件の巻き添えを
受け、婚約者を失ったチャン刑事。凶悪犯に名誉を汚されたフォン警部補。
行方不明の兄を容疑者として疑われたワイ巡査。それぞれの、思いを胸に
凶悪犯を追い詰めていくが、その陰に意外な黒幕が待っていた。

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2007年の東京国際映画祭の一企画、香港映画祭で上映された作品ですが、上映までに
１０ヶ月もかかり、おまけに東京ではシネマスクエア東急のみという、さみしい限りの
公開状況。役者もかっこいいし、アクションも良いし、それなりに人が入る娯楽映画
だと思うんですけどねえ。やっぱり日本では、香港の若手明星はイマイチ認知度が
低いのかなあ。

映画自体は、ジャッキーの遺伝子を継ぐ体を張ったアクションと人間ドラマの王道です。
いつ見ても、香港の俳優さんは体を張ってます。

ニコラスは父になり、甘いだけの風貌ではなくなってきました。ショーン・ユーも
男臭さが出てきていい感じ。ジェイシーはまだまだお坊ちゃま風ですが、あの
良い意味で育ちの良さそうな、人の良さそうな感じはほかの人には出せない味かも。
表情なんか見ると、お父さんそっくりだなあ。だからこそ、本人はアクションは
あまりやりたくないのかもしれません。偉大なる父を持つのも大変だなあ。

凶悪犯のリーダー、ウー・ジン。すごいです。武術家ですから、アクションが
すごいのは当然として、無敵で無表情で怖い。３人がかりで行っても、倒れません。

凶悪犯の一人を演じたアンディ・オンも味があります。凶悪犯にも人間性があり
人生があった。そこにワイ巡査をからめて、話に厚みを持たせています。


ベニー・チャン監督は、'90年代の香港アクション映画が好きだった人に見てほしいと
インタビューで語っていましたが、確かにその通り。あのテイストが沢山盛り込まれ
監督の香港映画に対するオマージュともいえるでしょう。