こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「パリ」 Paris

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「猫が行方不明」、「スパニッシュ・アパートメント」のセドリック・クラビッシュ最新作。
豪華俳優と彼の映画でおなじみの俳優さんたち総出演の豪華な映画ですが、お話はパリに
生きる市井の人々。みんなそれぞれ人に言えない哀しさをもって、日々の生活に喜びを
見出しながら生きている、普通の人たちのお話です。

心臓を病んで踊れなくなったダンサー。父親の違う3人の子供たちを女で一人で育てている
シングル・マザー。美しい学生に恋する変わり者の歴史学者の兄と、普通の家庭を築いている
建築家の弟。別れた妻と微妙な関係を続けている八百屋の男と、彼の元妻にモーションを
かける魚屋の男。文句ばかりのパン屋の女主人に雇われるアラブ系の娘。刹那に生きる
ファッション業界の女たち。兄を頼ってカメルーンから密航する男。みんな、いろんなこと
言いながらも、人と繋がれない保てない寂しさを隠してる。それでも、誰かを愛することを
求めている。

そんな誰もが感じ取ることのできるような普通の人達のお話が、フランスの社会事情を
反映させながら描かれていきますが、日本人の私たちにでも、登場人物の誰かに自分の
気持ちを反映させながら見ることができるでしょう。そして、パリの様々な姿も
見ることができます。そして、パリの街には、必ず“人”が見えるのです。

一つだけ日本人の私に異文化として強烈だったのは、フランス男たち。みんな、いつでも
どこでも元気に女性を追っかけちゃうんですね~。実は、自分が今まで旅行した国のうち
こんな私でも強烈にナンパにあったのがフランス(特に南仏)でした。なるほど、どんな
機会も逃さず頑張っちゃうんですね。淡泊な日本人にはびっくり。おまけにシングル・
マザーの社会的な地位も確率されている。先進国なのに、出生率が落ちないフランスの
事情がなんとなくわかったような...。