こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「ファミリーツリー」 The Decendants

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2011年アメリカ作品
出演:ジョージ・クルーニー、シャイリーン・ウッドリー、ボー・ブリッジスジュディ・グリア
 
言い尽くされた表現ですが、常夏の楽園、ハワイ。でも、そこで活きる人々には、現実の場所。
普通に生活があり、喜びも悲しみも、悩みも抱えています。
 
ハワイで生まれ育った中年男、マット・キング。妻が突然ボート事故でこん睡状態に陥ったことで、
様々な家族の問題が浮かび上がります。今まで家族を顧みずに仕事に追われていたマットにとって
10歳になる娘をどう世話してよいかわからず、ティーンエージャーの娘はほとんど手に負えない。
信託で受け継いだ先祖からの広大な土地の売却問題も解決してない。そんな中、妻が浮気をしていた
事実が発覚。回復の見込みがなくなった妻のため、マットは娘を連れてその浮気相手に会いに行くことに
するのです。
 
この映画、いろんな世代の人に見てもらいたい映画だと思います。仕事に追われ、
家事に追われ、雑事に追われて、大事な人とちゃんとお話出来てないんじゃないかと思う人に。
 
大学生の子供を持つ友人が、子供と話が通じないっていうのが、分かる気がします。
子供たちは自分たちの世界の中で、自分たちに通じる言葉で話すのです。
子供たちにとっては、親も親の世界だけで生きていて、彼らに歩み寄ることはない。
友人も、舅も姑も、親戚たちも、それは皆同じことなのかもしれません。でも、マットは
うろたえながらも、自分に出来ることで対応し、やがてお互いの心が開かれていきます。
 
そして、人々を包みパワーを与えたのは、ハワイの自然。やっぱり、楽園なのかも。
 
不倫の話から、家族や高齢者問題、尊厳死まで、深刻かつ深遠な問題をかかえたストーリーを
人間的、かつ上質なユーモアで描いた脚本は出色。色男ジョージ・クルーニーが、等身大の
中年男を演じるのもいい味です。