フィレンツェのパラディーの美術館にある「大公の聖母」が来ています。
現物はダビンチから学んだスフマートにより、肌の微妙な色合いに深みが合って
聖母のまとう赤と青の衣の色が本当に美しかったです。
今回の展示、彼自身の初期の絵から、彼の工房や周辺の画家の絵まで、
非常に興味ものになっています。
世界各地の美術館に所蔵されている絵が一度に見られるのです。
現地で見るのとは一味違った見方ができるこの贅沢。
ラファエロといえば、美しい聖母子像を思い浮かべますが、意外と生々しい絵もあります。
彼のパン屋の恋人を描いた絵などは、ほんとにそんな感じで面白いのです。
今回の展示にある肖像画なども実にリアルな人間像だったりして、興味深い。
「大公の聖母」について。ラファエロの他の作品とは違い、黒い背景でとなっておりますが、
実は以前は背景があったのだとか。研究のおかげでいろいろなことがわかるものですねえ。
ラファエロは、37歳で他界。若くしてなくなっておりますが、大きな工房をかかえ晩年は
彼の工房で、ヴァチカンの室内装飾を大がかりにてがけております。
そういったものは、さすがにあちらに行かないと、見ることはできませんが....。
お墓(写真)はローマのパンテオン内。ロレンツォ・ロッティによる聖母子像の彫刻のもとにあります。