こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

TIFF ワールドフォーカス 「激戦」 Unbeatable

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2013年香港作品
出演:ニック・チョン、エディ・ポン、クリスタル・リー
 
かつては香港のボクシングチャンピオンだったファイ。今は落ちぶれて
借金取りに追われ、香港からマカオにやってくる。
 
片や大富豪の息子チーは、自分を見つけることができず放浪を続けていたが
父親の会社が倒産。マカオで、一獲千金の総合格闘技を知る。
 
このところ「ビーストストーカー/証人」「密告・者」といった犯罪捜査物が
ヒット。激しい銃撃戦の多い映画を撮っていたダンテ・ラム監督ですが
今回格闘技を題材に選んだことについて、”格闘技が好きで、以前から取りたいと
思っていましたが、香港ではあまりこういった題材は当たらないので
作ることができませんでした。”と答えていらっしゃいました。
そういえば、確かジョニー・トー監督の「柔道龍虎榜」なんかも、そんなことで
あまり当たらなかったと記憶しています。
 
しかし、”前作である程度の成功を収めることが出来たので、今回実現した。”
ということで、以前から随分温めていた題材のようでした。お好きなんですねえ、
格闘技。監督の優しげな口調からはちょっと想像がつきませんが、やっぱり
男子は本能的に、こういうのが好きなんでしょう。
 
ポスターの絵柄から、ロッキーみたいな話なのかと思いきや、もしくは
若者の成長話かと思いきや、一味違うこの映画。20年来何もかも
うまくやることができなかった中年男が、いかにして過去を克服して
いくか、ということが重点になってきます。ボクシング選手として
自らをダメにして全て失ってしまった経緯だけでなく、マカオで居候する
家の母娘との関係も、彼が得られなかったもののひとつとして、バランス
良く描けています。
 
「TAICHI/太極」では、線の細い美青年の印象だったエディ・ポンが
すっかり格闘技体型に。そして、性格俳優といった印象のニック・チョン
この年で、あれだけ体を作り込んだのかと思うと、俳優さんて大変な職業だと
思わずにはいられません。
 
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ところで、いつも映画祭でお目にかかる広東語の通訳さん(監督の右の方)。
名前を失念してしまいましたが、この方、広東語の上手さはさることながら、
美しい日本語で、いつも感心しております。もちろん、日本人の方ですが
直訳調でなく正しく分かりやすい日本語がしゃべれる方、そうはいない
のではないかと思います。