こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「おばあちゃんの夢中恋人」


阿?的夢中情人 預告 安心亞變身篇

原題:阿嬤的沒夢中情人

2013年台湾作品
監督:シャオ・リーショウ/北村豊晴
出演:ラン・ジェンロン、アンバー・アン、ティンシン、ワン・ボージエ

1995年から1981年、台湾では数多くの台湾語映画が作られていたそうです。
自由奔放で、奇想天外なたくさんの映画。まあ、いわゆるB級映画なんだと
思います。でも、当時の国民党の規制のもと、日本統治時代に
日本語教育を受けてきた、北京官話の苦手な世代の台湾人にとっては
最大の娯楽であったに違いありません。

そんな映画のオマージュを、笑って泣ける楽しい映画にした作品でした。

認知症になってしまい、家族のことがさっぱりわからない祖母。
祖父は、台湾語映画最盛時の売れっ子脚本家。当時の
祖母との懐かしい思い出を、孫娘に語って聞かせます。
過去の二人の出会いと別れが、今の二人にかぶさっていきます。

本作中には、当時の時代背景も絡んで、映画のパロディーが満載。
個性的な登場人物、当時の映画人たちの様子も描かれています。

多くの広東語映画を生み出していった香港映画界とは逆に、その後
台湾語映画は、政府の規制の影響により衰退していってしまいます。

でも、先日紹介した「ピース!」などもそうではないかと思いますが
2000年代に入って、台湾人としての意識を描いた映画が製作され
ヒットしていることも覚えておく必要があるでしょう。

作品中に効果的に流れる「思慕的人」は、香港映画などでも耳にしたことのある
名曲。当時はやった曲なんでしょうねえ。過去から現在に至るまで、
いろいろな歌手がカバーしています。映画中のアンバー・アンの歌声がきれい。
とっても、可愛らしい女優さんです。

ラン・ジェンロンは、長澤まさみが主演した台湾ドラマの相手役だった
役者さん。金城武要潤のイケメンですが、ちょっととぼけた感じも
似合うなあ。