こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

TIFF 2018 アジアの未来「海だけが知っている」

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「海だけが知っている」[只有大海知道] Long Time No Sea
監督:ツイ・ヨンフイ
プロデューサー:チェン・パオイン
出演:ホァン・シャンホー、ジョン・ジアジュン、リー・フォンイン

ツィ監督の他に、おばあちゃん役のリーさんと少年役のジョン・ジアジュン君が
登壇してくれました。映画の撮影当時より、大きく逞しくなってました。

この映画、教師役のホアン・シャンホー以外はみな蘭嶼の人々です。

ツイ監督は、先住民族文化の継承の重要性を感じてこの映画を撮ったそうで
脚本はリーさんへの取材をもとに書かれています。リーさんは
この映画と同じように、孫を育て上げたのです。監督は、この役をやるのは
彼女しかいないと考えたそうです。

リーさんは初めは乗り気でなかったようですが、QAではこの映画に出られたことに
感謝され、涙を流しておられました。

ジアジュン君も、もちろん蘭嶼の子ども。マナウェイとは違って
元気一杯の明るい少年のようですが、演技は抜群に上手かったらしい。


『海だけが知っている』予告編| Long Time No Sea - Trailer HD

台湾東部の小さい島蘭嶼に、新任教師ジョンシュンが赴任する。彼のクラスの
少年マナウェイは、父親は本当に出稼ぎに行っており、祖母と二人暮らし。
寂しい思いをしている。

先住民族舞踊コンクールに参加する話が持ち上がり、ジョンシュンは
本島に戻るきっかけを掴むために、マナウェイは父親に会うために、
練習に励む。

先住民族は差別や孤立のために、貧しい環境におかれていることも多いようで
親は子供を残して台湾本島の都市に出稼ぎに行きます。
稼いで一旗揚げるために、家族や伝統文化は取り残されていくのです。

一緒に映画を見に行った友人(日本人)は、肌の色の違う、文化や言葉のの違う
この島の人々の「様子を見て、とても驚いていました。台湾がこんなに
民族・文化の多様性のある複雑なところとは知らなかったようです。

蘭嶼の原住民族はタオ族というようですが、男性は褌を民族衣装として
着用します。一見、廻しのようでもあります。この映画の舞台となった
2006年ごろは、映画の通り、島の子供達は褌をするのを恥ずかし
がったらしいです。

驚いたのは、原住民の歌の掛け声が"ソーラン、ソーラン”と言うのです。
日本人が知るソーラン節といえば、北海道の民謡でありますが、
何か環太平洋地域に渡る文化的なつながりがあるのでしょうか。
学術的に調べられているのかなあ。

台湾の多様性、まだまだ発見の余地がありますね!