こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「親密」 Claustrophobia 親密

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[コンペティション]部門作品 10月24日上映

コンペ出品の香港作品。これがワールド・プレミアとなるアイビー・ホー初監督長編作品です。

アイビー・ホーといえば、「ラブ・ソング」「ディバージェンス」など、切ない人間模様を
描く脚本家。この「親密」も、どこにでもある“職場”の中で起きることですが、切ないお話。
カリーナ・ラム演じるパールは、イーキン・チェン演じる上司トムに心惹かれます。トムも
ある事件をきっかけにパールに惹かれていきます。でも、彼は妻も子供もいる身なのです。

独特なのは、現在からだんだんと過去に遡っていく手法。ただし、ラブシーンや決定的な
不倫のシーンがあるわけではありません。彼らの気持ちの変化は、彼らの表情や行動で
表現されていくのです。普通の若い女子社員は、綺麗になり表情が明るくなり、しかし
関係に行き詰まり表情を失ってゆく。妻子持ちの男は、彼女を受け入れ心を開くがだんだん
その関係に疲れてゆく。あまり多くは語られませんが、カリーナ・ラムの表情の移り変わりや、
イーキン・チェンの感情を表には出さないようでいて、所々に現れる疲れた表情が、見る人の
想像力に訴えます。

女性の目から見れば“男ってずるいよねー”と思わせる映画。また、社内の力関係や同僚との
関係等も、とてもリアルな感じがする。でも、決して下世話でなく、映画としての完成度は
損なっていないと思います。

パールが台風で大雨に打たれるシーンがありましたが、撮影期間の関係でこのシーンを撮ったのは
真冬。さぞかし寒かっただろうと思いましたが、“冬で寒く、人工的に雨もふらせていましたが
かえって孤独な心境を表現できた”とカリーナは語っていました。役者さんて、本当に大変。

ティーチ・イン終了後、カリーナとイーキンは握手会を設けてくれました。映画祭で
こんなこと初めて。カリーナは、とっても可愛い。生イーキンは2度目でしたが、実際
目の前にすると、“ああ、映画で見る通りのイーキンがいる!”と思いドキドキ。
正視できませんでしたあ。