こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「シャーロック・ホームズ」 Sherlock Holmes

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2009年アメリカ作品
監督:ガイ・リッチー  脚本・原案:マイケル・ロバート・ジョンソン
 
別に特別シャーロック・ホームズに詳しいわけでもない私がこんなことを言うのもなんですが、
新しいシャーロック・ホームズの物語のはじまりです。
 
テレビドラマや子供向けに翻訳されたシリーズのホームズではない、闘うホームズがここにいます。
そして、今までになく、人間的に掘り下げられたワトソンも。なんとも人間臭い二人と出会うことができます。
 
もちろん知的で科学的な見地に基づいた推理を得意とするホームズですが、それ以外のことには
興味がなく、性格的に破綻しているともいえるような状態。それに比べると、知的で冷静なワトソンは
秩序を求めるタイプ。でも、無謀で自暴自棄的なホームズを放っておけない熱い奴なのであります。
これは、今回のストーリーの原作者が、ホームズの世界を追求していった結果、こうであると解釈した
結果なのでありましょう。最初はミス・キャスティングかとも思った、ホームズ=ロバート・ダウニー・Jr.と
ワトソン=ジュード・ロウも、こうやってみると何とも絶妙なものに見えます。
 
また、コナン・ドイルの原作では、ホームズは日本で習った“バリツ”という武術に長けているという
ことになっている通り、映画の中でも格闘します。“バリツ”がどんな武術だったのかは、いろいろな説が
あるようですが、映画の中でのホームズの動きに、まさに東洋武術の匂いが感じられました。
習った)をやっているのだそうですよ。相手の動きを手でかわして、攻撃に転ずるなどは、“なるほど!”な
技でした。
 
そして、別の見どころは19世紀末のロンドンの姿でありましょう。ビクトリア朝の末期、産業革命によって
社会が変わり、それによって生まれた混沌。今の世界の始まりの前の混沌ともいえるでしょう。
発展のエネルギーとその裏腹のダークな世界。なんともいえない魅力に満ちています。
この時代のロンドン、行ってみたいけど恐ろしげ。貧民街は臭そうだなあ。
 
二人の男の絶妙な化学反応に、紅一点の奔放な女賊アイリーン・アドラーが加わり、モリアティ教授の
影も見え隠れして、絶対続編ありだなと思わせる展開ですが、これは絶対続編やってほしいぞと
思うのでした。