こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「歳月神偸」 Echo of the Rainbow

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2010年香港作品
出演 : サイモン・ヤム、サンドラ・ン、アーリフ・リー、バズ・チョン、チョン・ブイ
 
2010年は、香港に回帰した香港映画が幾つかありましたが、この映画はそのうちのひとつ。
 
1969年、香港島上環あたりの階段先にある路地。行き止まりにある靴屋の家族の物語。
寡黙な職人気質の父親、おしゃべりで明るい母、名門高校に通うスプリンターの長男、
気ままな悪ガキの二男。2人の息子をかかえて、広東省からやってきた祖母。
路地の反対側で床屋をいとなむ兄。
 
夏の日の夕方、路地に住むご近所さんは、一斉に外に出て夕食。皆でおかずをシェアし合って
世間話をしながら食べる夕食。電話は洋品屋さんにしかないので、みんなが電話を借りに来ます。
 
日本人が「Always 三丁目の夕日」を見て、懐かしく思うように、香港の人たちは
この映画を見て、かつて歩いてきた道を思うのではないでしょうか。
 
一方で、まったく別の当時の香港の姿も垣間見えます。植民地統治のもとで、ほんこんの人達を
見下し、当然のようにワイロを要求するイギリス人警察官。別世界のような豪邸に住むお嬢様。
お金がすべてものをいう病院。
 
つらいこともあったけど、きっとあの頃は家族の距離が近くて皆一緒だったのではないでしょうか。
そんな、Good Old Daysを描いた一作でした。
 
サイモン・ヤムとサンドラ・ンの、庶民的な風情と夫婦の愛情がとても自然。
次男役のバズ・チョンの、屈託のない悪ガキぶりと、ピーピー泣きぶりは、作られた子役にはない
リアルな子ども感があります。長男のアーリフ・リー、いかにも60~70年代の美少年ですが
その後2011年にブルース・リーの伝記映画「李小龍」で、主役はってます。こちらも、見てみたいわあ!