丁度一年ぐらい前香港で見た作品ですが、ディーテイルを確かめるためもう一度行ってきました。
監督はジョニー・トー。有名俳優を使ったラブコメから、しぶーい俳優使った男のドラマまで
幅広い映画を撮る人ですが、どうやらラブコメでお金を稼いで、そのお金で撮りたい映画を
撮っているようです。どのの路線も、結構面白いんですけどね。「ザ・ミッション/非情の掟」は
スタイリッシュな映像と、渋い男優たちの演技がクール。「PTU」は善悪の白黒をつけられない
大勢の人が絡み合って昇華する、よくできた警察・犯罪物。ラブコメ路線では「Needing You」
とか「痩身男女」とか、なかなかおしゃれでなおかつ笑えます。
しかしながら、最近はなんだか、どういう路線ともいいがたい、妙な想定外の映画が多いんです。
「マッスル・モンク」なんてアンディ・ラウが特殊メイクでムキムキの修行僧になって、コメディかと
思いきや、ヒロインはカルマから抜け出せず、恐ろしいことになってしまうんです。「柔道龍虎榜」
なんて、柔道ヒーロー物と思いきや、ただただ自分より強い者を探して流れ歩いてる男と、わけあって
やさぐれている元柔道家がからんで、最終的には嬉々として投げたり投げられたりしてる。
柔道オタクの話のようにも見える。もともと、先の読めない映画を撮る監督ですが。ただ、どれも
自分の意思だけではどうにもならないことがあってそこから話の流れが変わってくるような映画に
なっているのです。
「イエスタディ・ワンスモア｣も、予定調和のラブコメではありませんでした。初めは
お洒落な泥棒夫婦のコメディなのかなって思うんだけどね。でも、愛する人が急に
訳も告げずに目の前からいなくなるなんて、困った話だなあ。ネタバレになるので
ストーリーについてはここまで。アンディ＆サミーのコンビ、息はぴったり。サミーは
色っぽくない峯不二子。アンディは、彼女を見守る天使のようなダンナを演じています。
トー監督は、この先どこへ行くんだろう。「黒社会」という新作が完成したそうです。早く見たい。
12月には、「ブレーキング・ニュース」というトー監督の真髄ともいえる、警察・犯罪ドラマ
日本で公開になります。これも楽しみ。
