こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

ブレイキング・ニュース

香港の多芸な巨匠、ジョニー・トー監督の2004年作品です。ジョニー・トーといえば、大物
明星起用のラブコメからシャープなアクション物、しぶーい俳優陣を起用した“男の世界”物まで
幅広い作品を手がけていますが、今回は大物明星+シャープなアクションといったところで
しょうか。今まではわりと人のよさそうな役の多かった台湾人俳優リッチー・レン
クールだけど人情のある強盗犯役で起用。ケリー・チャンは現代的なエリート警官を演じています。

一つの場所や一つの事件に、何組かの違った立場の人々が絡んで話が展開していくという所は
前年の「PTU」にも通じるところがありますが、「PTU」では事件をひたすら内部で始末しようと
していくのに対し、「ブレーキング・ニュース」に於いては事件が警察の手によってメディアを
通して公表されていきます。そのメディア対策を行うのが女エリート警官であり、彼女の
息のかかった広報部の女性。今まで内側へ内側へと向かっていたトー監督の“男の世界”物に
女性の風穴が開いたかな。内容的には多少無理がある所もありましたが、脇の俳優さんたちが
絶妙にそれぞれの立場を演じているので充分カバーされています。

映画初っ端、犯人が潜むビルの窓から逃走用の車が置いてある路地、そこで張り込む
現場の刑事の車、路駐に対する警官とのやりとりから銃撃に発展するまでの長い長いワンカットは
見ごたえありです。おすすめですよ。