第33回東京フィルメックス 特別上映A を見てドキュメンタリーを考える
今年の東京フィルメックスの最終日、当初より特別上映Aとしてだけ紹介されていた作品が前日に発表された。それが「時代革命」Revolution of Our Time。
2019年の「逃亡犯条例改正案」が、香港を戦場に変えた。法案提出以降の香港市民の抵抗運動を描いたドキュメンタリーだ。
監督のキウィー・チョウは、2015年、十年後の香港の姿をオムニバス形式で描いた「十年」で「焼身自殺者」のエピソードを描いた。それから5年もしないうちに、現実はそれをを越えてしまった。
いつも見ていた風景が、戦場のようになっていく。大学で、若者たちが警察を阻止しようと必死になっている。権力による過剰な暴力。世代を超えた共鳴。日本で見る報道だけではわからなかった、香港の人たちが経験したことが強烈に目に入ってくる。そこは自由が当たり前ではなくなった世界。
この映画の上映はカンヌ映画祭に次いで東京が世界で2回目の上映となったが、より多くの人に目にしてもらいたと切に願う。