こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

マクダル パイナップルパン王子 (麥兜 菠蘿油王子)

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前にも話題にした、100%香港製造のアニメ、マクダルの映画版が今日から日本でも公開されました。

初日先着100名様限定でマクダル・バックをプレゼントということで、さっそく初日初回に
見に行ってきました。日本ではほとんど無名の、香港ローカル色たっぷりのこの映画、どんな人が
くるんだろうと思っていたら、なんのことはない、香港&明星オタクのいつものおばちゃまたちが
いっぱいでした。(私もその一人かい?)

さて、この映画、子供向けアニメとあなどってはいけません。人間(ブタだけど)の人生についての
深い考察があります。“パイナップルパン王子”というのは、実はマクダルのお父さんのことです。
シングル・マザーのマクダルのママが、息子の為に考え出した物語なんです。それが本当の
ことかママのフィクションかは別として、息子に父の人生と母の人生、そして自分の人生に
ついての考察を与えるのです。

現実的に見れば、マクビン(マクダルのパパ)は、過去に生き、夢を忘れられず、結局すべてを
振り捨てて出て行ってしまう、とんでもない人なのかもしれません。でも、ママの物語の中には
“バカな子供がぼーっとしていると、そのままバカな大人になっちゃうよ”みたいな、たくさんの
直線的な教訓と、去った人への愛情の残り火(“パパは王子様だった”という)が感じられます。
残されたママはマクダルを抱えて、自分と子供の将来の為に、過去を振り返るひまなどなく、
未来を見つめて強く生きていかざるを得なかったのでしょう。

マクダルは言います。“パパは過去にいた。ママは未来にいた。そして僕だけが現在(いま)に
いる。”

なんていうと、硬い話なのかと思ってしまいますが、香港お得意のナンセンス&“これでもかっ”
なギャグが満載。話のディーティルに、香港に生きる人々のたくさんの現実が織り込まれて
いますが、書き始めるときりがない。あとは映画を見てみて下さい。

リアルな香港の街並みとファンタジックなお話に幻惑され、笑い転げているうちに、
最後にほろっとさせられます。この映画は、実は劇場映画版2作目。1作目の日本公開も
決まっているようです。映画祭以外で見ることはないだろうと思っていたのに、感激。
マクダルをを配給した方々に脱帽です。

マクダルがらみの話は、また別途書きたいです。