こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

アルトマン 「M.A.S.H.」に思うこと

ロバート・アルトマンが亡くなりました。

「M.A.S.H.」を初めて見たのは中学生ぐらいのころでした。何の前知識も無く見たこの映画の
ぶっ飛びぶりに、衝撃を受けたものです。群像劇っていうのは初めてだったし、ストーリーらしい
ストーリーもない。戦闘シーンがあるわけでは無いけど、手術シーンは血まみれ。それに何より
お下品で、大の大人がバカないたずらしまくり。何なんだと思いました。

アメリカ公開は1970年ですから、私が見たのは数年後。ベトナム戦争は、なんとなく
知っていましたが、朝鮮での戦争のことなんかさっぱり知らず、なんで変な日本語の
謡曲がかかってるんだろうなんて思っていました。

今見ると、ほんとにびっくり。Fxxx発言はもちろん、今だったら、軍隊でこんな
セクハラ・パワハラはありえないだろーというような発言いっぱい。でも、
この映画で描かれた、狂気と裏腹の正気、体制への反抗と皮肉は、今見ても強烈。
30年前の私には分からなかったことも、分かるようになりました。そして、世の中が
あまり変わっていないことも。

こんな私を少し成長させてくれた、この映画に感謝をささげ、アルトマン監督の
ご冥福をお祈りします。