こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「ジュリー&ジュリア」 Julie & Julia

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2009年アメリカ作品
監督・脚本・製作:ノーラ・エフロン
原作・ジュリア・チャイルド、アレックス・プリュドム、ジュリー・パウエル
主演:メリル・ストリーブ、エイミー・アダムススタンリー・トゥッチクリス・メッシーナ

今年最後の劇場鑑賞映画は、これにしました。仕事に追われ、漠然とした苛立ちの中で一年が
終わりそうな私にとっては、ちょうど自分を見直すことができるような映画でした。

1949年、ジュリア(メリル・ストリープ)は外交官の夫とともにパリにやって来る。持ち前の
明るさと物おじしない性格で、名門料理学校ル・コルドン・ブルーのプロ養成コースに通い
数年後、友人とともにアメリカ人向けのフランス料理の本を出版。大ベストセラーとなり
料理番組でテレビで人気者になる。その50年後、N.Y.に生活するジュリー(エイミー・アダムス)は、
ジュリアの本の524のレシピを1年で制覇し、その過程をブログに載せるという計画を実行する。

実はこのお話、ジュリーとジュリア、二人の女性の実話なのです。

生きる時代が違えども、二人の女性が自分に何がが出来るかを模索する姿が可愛く美しいです。
社会に出てある程度の時間がたっており、それなりの努力をしてきたにも関わらず、
本当に自分のいる場所が見えてこない。冒険するほどは若くない。でも、このままあきらめる
ほどの年でもない。そんなイラ立ちは、女性なら誰でも共感できるのではないでしょうか。

何よりも素敵なのは、そんな彼女たちを見守ってくれる、やさしい旦那様の存在。
やっぱり何より支えになるのは、家族なのね。

映画の中で作られる料理の数々はジュリアの本に基づいたフランス料理です。でも、家庭で作れるように
考慮されたレシピであり、本の中に基本やちょっとしたテクニックも盛り込まれているようで、
そんな料理に対する細かい愛情が映像にも表れています。バターの匂いやオーブンの熱もリアルに
感じられそう。おいしいものを“作る”こと、“食べる”ことって、人類共通の文化であり
喜びなんですねえ。

会話も良くできていますが、彼女らの喜びや悲しみをさりげなく表現している演出も良いです。
女性監督による、等身大の女性映画だと思います。