監督・脚本：ナンシー・マイヤーズ
出演：メリル・ストリーブ、アレック・ボールドウィン、スティーブ・マーティン
邦題やポスターの色合いからは思いもよらない、リアルでちょっとえげつないくらいの
大人のお話です。基本的には明るく笑える話ですが、若者にはちょっとひかれちゃうかも。
熟年以上の女性たちには、ほんとにバカ受けしていました。
何しろ、10年前に離婚した元夫婦が、不倫関係に陥ってしまうのです。
元夫は若い女性に走り、離婚・再婚。若い妻との関係に、プレッシャーを感じている。
元妻は仕事に成功し、3人の子供たちを育て上げ、念願の自宅改築を計画。
満ち足りたはずなのに、どこかに寂しさを感じている。そんな二人が、ひょんなことから
関係を持ってしまうのですが、周囲の人も本人自身も大混乱。ほんとに困った大人たちです。
元妻ジェーンや友人の女性たちのホンネには、びっくりもしますが、わからなくもない。
女性はやっぱり現実的なのです。ほんとにびっくりなのは、元夫ジェイクですね～。
能天気で、本能のおもむくまま。どこか情けなく、いつまでたっても子供。そのなさけなさ
あたりが、自分の夫に重ね合わせたオバサマたちに爆笑ものだったのでしょう。
元妻ジェーンに、メリル・ストリーブ。元夫にアレック・ボールドウィン。この二人が夫婦役って、
あまり想像できませんでしたが、二人ともそれなりに年を重ね思いがけない味を出していました。
何しろ、アレック・ボールドウィンのメタボぶりはすごい。「レッド・オクトーバを追え」のころの
知的でスマートな彼が、20年後にこうなっているとは誰も想像できなかったでしょう。
おまけに、彼がこれだけのドタバタ・コメディーをするのは見たことがないっていうぐらいの
はじけぶりです。共演のスティーブ・マーティンもびっくりですよ。スティーブは、今回はとっても
ナイーブな、離婚から立ち直れない普通の男です。
今50～60代ぐらいの世代の人は、右肩上がりの社会の中で、結構自分の欲望に忠実にやってきた
人たちなのではないかと思います。家庭も仕事も恋愛も。おかげで子供たちは振り回されるのですが。
性懲りもない大人たちの姿を見て爆笑するのもいいし、えげつないとははいえ夢のようにすてきな
ジェーンのお家やベーカリーを楽しむのもいい。自分があのくらいの年齢になって、どんな
ふうになるかの参考にするのもいいかなあ。
