街の色 土地の色 人の色
珍寳(JUMBO)の結業、解体、そして海上輸送中の沈没のニュースが話題に上っています。
実は、珍寳には行ったことなくて、写真の一つもない。でも、衝撃はありました。珍寳は、香港の一つの顔であり"色"だったから。
SNS上にも、多くの反応がありました。香港の人だけでなく、日本人からも。
多くの日本人にとっては、団体旅行で訪れるこの場所が、初めての香港体験の場所であり、香港の色を見つけた場所であったはず。
沈没の発表、撤回っていうのはどういう事なんでしょうね。
今月は色を考える機会があったので、香港の写真を見直してみました。
特色、という言葉があります。それぞれの色。いろいろな意味。
香港の色。
最後に見つけたのは、生き生きとした自分の写真。重い荷物を背負っても、楽しげに旅をしている自分。
これからどこへいくのでしょう。どこへ向かっているのでしょう。
Scenes that should not be forgotten
2019年3月の香港。ほぼほぼ最後のショット。まさかこの後3年以上もここに来ることがないとは考えても見なかった。その後ここで起きた事は、そして世界で起きた事は、誰もが知っている通り。
今日、2022年JPS展で会員作品として"不肖・宮崎”氏の3点の香港の写真を見た。タイトルは「忘れられた香港」。最後に行ってから、見慣れた道を埋め尽くす、デモの参加。警官の発砲する催涙弾。ほんの数ヶ月後の香港は、日常が失われた世界となっていた。最後の滞在の時には、全く想像もしなかった世界。その事件があった事、その後のことなど、忘れていたわけではないけれど。
私が見た、香港の日常。早朝、始発のミニバス。
小鳥おじさんの集まるレストラン
トラムの端から端まで乗車しながら、見た日常。
歩道のないところを渡ろうとする、杖をつくおじいちゃん。
街市の賑わい。
今もどこかで、いつでもあったはずの日常が失われていく。
日常も、非日常も、それは忘れてはいけないシーン。
天星小輪の船窓から
香港では、4月21日、3ヶ月ぶりに新型コロナ対策の規制が緩和したということです。
ディズニーランドやジム、映画館などが営業再開。香港の方々は、まず何をしたでしょうか。
規制緩和どころか一般的には、まだ呑気に海外旅行なんていう状況ではありませんが、もし香港行って、まずは何をしたいかと言われたら、これでしょう。天星小輪、Star Ferryに乗船する。フェリーに揺られながら景色を眺める。
1990年の初訪港以来、必ず乗ってるのですが、スターフェリーでのデビュー写真は、上の写真。1998年。船上でとったものが初でした。立ってるビルも、海岸線も、対岸の埠頭も全然今と違いますね。これはまだ、フィルムカメラの時代です。
クリスマスのイルミネーションが美しい、2003年12月。Litz-Cartonの隣にあったFrama Hotelがなくなってます。
2006年、香港島側の新しいフェリー埠頭、建築中です。
2008年。新しいフェリー埠頭、完成してますね。そして、この辺りからデジカメの性能が急激に向上してますね。
2010年新しいpierで働くおじさん。セーラー服と船を寄せる竹の棒は変わらずですね。
Star Ferryに乗った日は、こんな穏やかな天気の時もあり。
こんな曇天の時もあり。台風の次の日に乗ったこともあったなあ。
そして夜。2019年の最後の訪港。
鉄ならぬ、のり船、撮り船。ただただ船窓からの写真を並べただけになってしまいましたが、このような状況で経営状況の厳しいといわれている天星小輪。ここからでも少し応援できたら。いつまでも、存続されることを願って。
「ゴヤの名画と優しい泥棒」The Duke 〜 人それぞれにとっての美や価値を考える
- 2020年イギリス作品
- 原題:THE DUKE
- 監督:ロジャー・ミッシェル
- 脚本:リチャード・ビーン、クライブ・コールマン
- キャスト:ジム・ブロードベンド、ヘレン・ミレン、フィィオン・ホワイトヘッド、アンナ・マクスウエル・マーティン
今月のゼミのお題「私にとっての美」を考えるにあたって、人にとって美しいもの、芸術がどんな意味を持つのかの一つのヒントとなっ映画。実際に起きた事件のもとに映画化されています。
- 1961年、世界屈指の美の殿堂、ロンドン・ナショナル・ギャラリーからフランシスコ・デ・ゴヤの名画「ウェリントン公爵」の盗難事件が起こった。
- 盗んだ犯人として名乗りを上げたのは、60歳のタクシー運転手、ケンプトン・パントン。どこにでもいる、とても豊かとは言えない家庭の普通の男性だ。
- この絵画盗難の19日前に、サザビーズで14万ポンド(現在の貨幣価値で300万ポンド)でNYのコレクターに落札されたが、イギリス政府が介入しイギリスにとどまることとなった。
- ウェリントン公爵は、ワーテルローの戦いでナポレオンを破った国民的英雄であり、ゴヤはスペインの一流の宮廷画家であり、巨匠である。国、または一部の階級の人々にとっては、流出してしまったら国の威信に関わる大問題だ。
- しかし、ハンプトンにとっては、この絵画にその価値を見出せない。彼にしてみれば、慈善もしないような金持ちの無駄遣いである。盗んだ絵画を人質に、慈善団体に寄付するように脅迫状を書いたのだった。
- 確かにこの絵画、無表情でどこを見ているのかもはっきりせず、ちっとも魅力的な肖像画とは思えない。それについては、ウェリントン卿の人柄・ふるまいのためとか、ゴヤと合わずいろいろあったからという説があるようだ。堀田善衛の評伝にもそのような伝説が描かれているという事だ。*(映画パンフレット上の中野京子の評論より)
- いずれにせよ、ハンプトンや家族にとってはその絵画に対して共感や共鳴、心を揺さぶるものは何もなかった。そこには美を感じさせるものはなかったということだろう。
- 彼らにとって、美しいもの(喜びも悲しみも)は家族であり思い出に関わるものである。
- イギリス人らしい、ちょっとねじれたユーモアあふれるハンプトン。階級や人種が複雑に交わる社会の中で、彼は自分の立場から社会的弱者に対して真っ当な主張をする。
この事件の顛末と、驚きの事実と結末にについては見てのお楽しみにしておきましょう。
https://happinet-phantom.com/goya-movie/
香港めしに危機迫る
今日はまた悲しいニュースに遭遇しました。
https://hongkong.keizai.biz/headline/1812/
香港でも今オミクロン株が感染拡大し、ゼロコロナ政策をとっていた香港も対応が難しくなっているようです。
そんな中、上環の鳳城酒家が閉店、陸羽茶室が一時休業を決めたそうです。
陸羽茶室は、香港で初めて私に本格飲茶を体験させてくれたお店です。インド系のドアマンが入り口に立ち、風格を感じさせるドアを開ける。服務員が肩から掛けた(お弁当売りみたいな)トレーに料理を載せてやってくる。エビのすり身を蒸したのが、上品で美味しかったなあ(名前わからず).
香港経済新聞の記事によると、閉店・営業停止ははそれだけでなく、あの倫敦大酒楼までが一時休業に入っているようです。
2017年、写真仲間で行った時は、いろいろ食べれて楽しかったなあ。
ここはとっても庶民的で楽しかったなあ。
老舗の茶餐廳もずいぶん結業しています。中国冰室.
ここのタイル、絶妙なバランスできれいでした。
定番の套餐
ご存知の通り、許留山はすでに結業。糖朝ももうないよね。観光客の多いところは、厳しかったと思います。
レストランだけでなく、アパレルや映画館もクローズしているみたいです。
香港の老舗外食産業に危機迫る。
春節前 2019
2019年のちょうど今頃、春節前の香港に行ってました。
instagramに上がっている写真を見ると、今年もまた半島酒店には赤いランタンが浮かんでいるようです。
この年、初めて再開発後の利東街を訪れました。今年もここも、赤いランタンが下がっているようです。
この年は猪年で、かわいいブタちゃん撮りまくり.
おめでたい文字を書いている人(職業名をしらない)が街にいて、まだ春節の準備中でした。日本で言えばの年末、年の暮れの感じかな。でもまだ、長閑な感じ。
これは、雑貨屋さんの軒先で売ってるやつですね。
金柑もまた、準備中。これから、あちこちの店にデリバリーされるのでしょうね。
果物も春節仕様。
湾仔の青ビルのデコレーションは、果物カバーのリサイクルでした。エコかな。
まだあの事件が始まる前の香港。
このあと3月に日帰り旅をしましたが、これが最後の海外一人旅となってしまいました。
2020年より、香港はおろか日本でさえ自由に旅するのを躊躇する時期がはじまりました。
今年は、どうなるのでしょうか。そろそろ、思い切り外に出たいと思うのですが。
新年快樂 2022
新年快樂!
皆様のご多幸とご健勝をお祈り申し上げます。
今年の年賀状に上の写真を使ったのですが、プリントの色の調整がうまくいかなくて別物になってしまいました。紙の問題もあるかとは思いますが、それはそれで、面白い色でしたが。
まずは今年、Photo Shopとプリントを学ばなくては。
この二年近く、世界中、様々な場所や場面において、いろいろなことが今までしてきたように自由にできなくなりました。
状況は行きつ戻りつ、未だ先の見込みが建てにくい状況ですが、今年はインプット・アウトプットを増やしていきたいと思います。
ブログのアップも増やせればいいですねえ。