こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「それでもぼくはやってない」

11年ぶりの周防正行監督の新作、見てきました。でも、バレンタインデーに
見る映画じゃあないよなあ。

映画公開前、これでもかこれでもかっていうぐらい、夫婦でテレビに
出まくって、映画のPRをしていた監督ですが、ほんとに時間と労力を
費やして作った作品なんだろうなあと思います。派手な演出は
ひとつもありません。事件の発生と、逮捕・拘留・裁判の様子が
淡々と、かつリアルに詳細に語られていきます。社会派ドラマと
いうような重々しさはないけれど、どこか息苦しい。そして、最後は
じわっとショッキング。

痴漢冤罪の話ですが、これは男性だけの話ではありません。ほんのささいな
事から、自分や身近な人が犯罪者になってしまうかもしれないという恐怖を
感じます。そして、自分がどんなに無実だとわかっていても、刑事も検察も、
弁護士さえもが話を聞き入れず、推定された状況からの判断で有罪とされてしまう。
人間が裁く司法システムの矛盾を初めて見せつけられました。