こぶー休息中!

引っ越して来ました。おばブーの旅(主に香港)と映画の日々。

「プラスティック・シティ」 Plastic City

ユー・リクワイ監督は、ジャ・ジャンクーの撮影監督として知られた人なので
てっきり大陸出身だと思っていたら、香港出身の人でした。彼は、自分が移民を
題材にするのは、香港出身だからと語っていました。

ブラジルも、混沌とした移民社会。その裏社会で成り上がったアジア系の
ユダ(アンソニー・ウォン)と、義理の息子であり日系のキリン(オダギリジョー
の攻防と絆を描いています。

裏社会での商売や勢力争いという面で見れば、ノワール映画のようですが、
グローバリゼーションの波に押し流されたと見れば、ブラジル社会の一側面を
描いたとも思える。

ユダとキリンの内面的なものという面でみれば、ずいぶん観念的な映画のようにも見えます。
特に後半は、現実離れした映像になってくるので、つかみが難しい。

でも、アンソニー・ウォンオダギリジョーのキャスティングは、抜群です。
どこでどんな役をやっても見劣りしないオダジョーの姿と、アンソニー・ウォン
強烈な存在感。この二人のからみは、また見てみたい気がします。

それにしてもアンソニー、杖をついて歩き、ライバルに敗北宣言して放心状態の
引退間際のボスの姿がなんとしっくりときていたことか。48歳にしてこの老練ぶり。
すごい俳優さんです。