監督：クラレンス・フォ 製作・脚本：バリー・ウォン
出演：アンディ・ラウ、ルイス・クー、パトリック・タム、アンソニー・ウォン、スーキ・クワン
久々の、見倒し香港映画！です。
よくある潜入捜査官の話ですが、製作年からすると「インファナル・アフェア｣以前の作品です。
潜入捜査官であるシン（ルイス・クー）の視点で映画が描かれており、実質的にはシンが
主役といってよい映画だと思います。
フェイロンの親友であり洪興社のボス、パオが警察への情報漏れから銃撃される事件が発生。
実は潜入捜査官だったパオの部下マンが復讐から殺されます。しかし、背後にはパオの息子
チャンの陰謀があり、フェイロンを引きずり出しすべてを奪う計画が進められていたのです。
黒社会の人間だったフェイロンが、どういう経緯で堅気になったのかは描かれていません。また、
警察官であるシンが、どういう道を辿ってフェイロンの腹心の部下となったかも描かれていません。
シンは、組織の悪を暴くという任務を自覚していますが、フェイロンに対しては任務だけでは
割り切れない複雑な感情を抱いてることは分かります。そして、フェイロンは黒社会とは
切れないことを自覚しながらも、元の道に戻ることはせず、自らの手で家族を守ろうとしています。
シーンによって、色のトーンがずいぶん違うのが分かります。ひとの欲望渦巻く赤いライティング、
グリーンがかった映像にに赤い鮮血。画面ごとに浮かび上がる色が面白い。
最近めっきり女好きの役が定着しているルイス・クーですが、私はこっちの男クサイほうが
好きですねえ。「オーバー・サマー」とか「柔道龍虎房」とか。ヒャラヒャラとニヤケない
ルイスはすてき。でも、イメージ定着するよりいいか。アンディは、熱苦しい若さから落ち着きの
年代に入った、年齢的にも丁度いい役だと思います。
陥れられ不幸に見舞われるフェイロンですが、最後はあっけない復讐劇。警察官としての
シンは、何を思ったことでありましょう。
